1967年、デイブ・リーブスはSound Cityブランドの為に100Wのアンプヘッドの製作に着手し、それによって生まれたモデルが Sound City One Hundred(Mark Ⅰ)。続いて設計やデザイン変更が行われ、L100/B100 Mark Ⅱ、Mark Ⅲが誕生し、その血脈を継いで、デイブ自身の会社HYLIGHT ELECTRONICSを立ち上げ、Hiwattブランドにて発表されたのがDR103モデルになります。Hiwattブランドのクオリティは同時期のアンプの中でも群を抜いた極上のブリティッシュサウンドを誇り、ピート・タウンゼンドやジョン・エントウィッスルを始め、ロバート・フリップやデヴィッド・ギルモア、スティーヴ・ハケット、ジミー・ペイジ、Arctic Monkeysのギター、Coldplayのベーシスト等々、多くのロック・レジェンドをから現代のスターダムバンド・プレイヤーまで幅広く愛用され続けております。Hiwattブランドとしての製作は1968年11月からとされ、商品としてラインナップされるのは1969年からですが最初期となる1970年までは一般販売することはなく、卸先はレコード会社かスタジオにしか販売しておりませんでした。
その内容として、まずコントロールについては4インプット&7ノブ仕様にて、インプットは一般的なMarshall等の使用方法と異なり、左がNormalチャンネル、右がBrilliantチャンネルにて、上段がLow、下段がHighと逆の配置となっております。コントロールは左からNormal Vol、Brill Vol、Bass、Treble、Middle、Presence、Master Volとなっておりますが、原型となるL100モデルにマスターボリューム回路が加わった、より実戦的な仕様となっております。ただこちらは現代のアンプのように歪ませる為に搭載された訳ではなく、チャンネルリンク使用時にノーマルとブリリアントチャンネルの左右バランスを各ボリュームで調整し、最終的な音量を可変させる為に使用するものとなっております。背面コントロールでは、この当時としては非常に珍しい100Vにも対応するタップが搭載されており、105V⇔115V⇔225V⇔245Vの切替を可能とし、国内で使用する際もステップアップトランスを使わずに使用出来る点もその後の時代を見据えた仕様となっております。スピーカーアウト・セレクターは4Ω⇔8Ω⇔16Ω、隣のシリアル刻印プレートにはDave Reeves在籍時の中でも最初期のみとなる”Made In England by HYLIGHT ELECTRONICS”の記載がございます。そして電装関係ですが、Dave Reeves本人がワイヤリング、ポイント・トゥ・ポイント配線は勿論、全て希少なパーツが採用されているのもこの時期のHIWATTの特徴にて、チューブはオリジナルから交換されておりますが、早々たるオーナー様達が所有してきたことを裏付ける希少かつベストな真空管が搭載されております。