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●アコースティックギターで弾いた自分の演奏を「生音を壊さずに録音してみたい」。
●アコースティックライブで「エアー感を忠実に伝えたい」。
●手持ちのアコースティックギターに、ピックアップマイク(P.U.)を取り付けてみたいが、一体「何をどのように取り付ければよいのかわからない」。
「Acoustic ライン録り入門」が、そんなアナタの素朴な「?」を解決します。
はじめてアコースティックギターの録音にチャレンジする方も、アコースティックライブのクオリティーUPを目指すアナタも、自分だけの「最適エレアコ化」にチャレンジしてみませんか。

■記事:高井有介(写真左)
某大手楽器店を経て、現在ミュージックコーディネーターとして各企業などのトータルサポートを行う。
また、楽器の開発から製造の仕掛け人としてさまざまなジャンルの楽器製造に携わっている。
■演奏:服部準之助(写真右)
アコースティカルな響きを大事にした、ソロフィンガースタイルとスムース・ジャズを融合させた独自のスタイルを持つギタリスト。アレンジからサポートまで、また、ソロとして、自らのSmoothJazzプロジェクト”Ruther”を中心に関東・東海・関西にて活躍中。

■アコギの音は「Line」で録る。
タイトルを見て、「なぜ、Line?」 こう思われた方も少なくないと思います。
「生音を録るのであれば、コンデンサーマイクに勝るものはない。」実際にこう思われている方がほとんどでしょうし、もちろん私もその一人。
確かに、完璧な環境で録られたコンデンサーマイクのサウンドは、他のどの方法よりもリアルに「エアー感」を伝えます。
しかし、実際に真の空気感をそのままに伝えるためには、相当高度で完璧な録音環境が必要です。一流アーティストの録音状況を思い浮かべてください。壮大な機材を揃え、高度な技術を持ったPAスタッフも沢山いる。このような状態であれば理想的な空気感を伝えることも可能であると思いますが、個人がここまでの録音環境を整える事はまず不可能でしょう。
そこで、『Line』です。Lineであれば周りの環境にあまり左右されず、設定が簡単でありながら、クオリティーの高いサウンドを録ることが可能です。このため近年徐々に人気が高まり、この分野の研究、技術開発がなされた結果、コンデンサーマイクに負けないサウンドをもたらせてくれるものも出現しており、アコースティックギターをメインに演奏するアーティストにも、Line録音をする人が増えてきています。
是非皆さんも、この機会にLineで「エアー感」のあるアコースティックサウンド創りに挑戦してみてください。
録音するにもライブにも、音を録るためには先ず音を拾うための装置、つまりピックアップマイクを本体に取り付ける必要があります。そこでまず手始めに音の入口であるピックアップの種類やサウンドの特徴などを、タイプごとにご紹介しておきます。ピックアップは、その特性により、音の傾向や取り付け方法が異なります。ここではそれぞれのピックアップのメリットとデメリットを挙げながら、特性をご紹介しますので、ご自分の用途に合ったピックアップ選びの参考にしてみてください。

ポピュラーなピックアップマイクで、一般的に最も使用されています。


どちらかというと、単体で使用するよりも、他のマイクなどと併用するケースが多いマイクです。


現在、生音サウンドの主流になりつつあるマイクです。


取り外し可能なコンデンサーマイクとして、リアルな生音が得られます。
通常のコンデンサーマイクロフォンと比べ、指向性(音の方向)を絞り、ピンポイントでエアー感を得ることができます。

このように、ピックアップにはそれぞれの特性がありますので、こうした特徴を理解した上で、ご自身のサウンドイメージや使用場所に合わせたピックアップを選ぶことが大切です。
「ブレンド」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
これは現在もっとも注目されているピックアップのサウンドメイキング術です。
例えば、現在、ピエゾマイクを仕込んであるアコースティックギターがあるとします。
しかし、アンプから放たれるサウンドは、エレキギターのような硬いサウンドに…。
もっとアコースティックギターのエアー感が出せないものだろうか。。
そんな時にもっとも効果的なのがこの「ブレンド」です。
簡単に説明すると、種類の違う2つ以上のギター用マイクを仕込み、マイクそれぞれの足りない部分を補わせることで、より生音に近づける方法です。
例えば…
●音が硬すぎる(エレキギターみたいな音がする)
こんな時に効果的な組み合わせは
ピエゾマイク + コンタクトマイク
ピエゾマイク + 楽器用コンデンサーマイク
●あらゆる環境(演奏場所)で使用するため、極力ハウリングを抑え、しかもギターに加工なしで取り付けたい。
こんな時に効果的な組み合わせは
マグネットマイク + コンタクトマイク
マグネットマイク + 楽器用コンデンサーマイク
このように、単体ではなく特性の違うピックアップを複数、組み合わせることで、自分のギターの音をイメージ通りのものに創り上げることが可能になるのです。
ここでは楽器の素材とピックアップとの相性について、少し考えてみたいと思います。
すでにご存知の通り、楽器(ギター)にはいくつかの代表的な使用木材があります。もちろん、使用される素材によって、その楽器が奏でる音は変わり、ピックアップで生音を拾う場合、いかにその素材の「味」、つまり生音を忠実に再現させるかが大切な要素になるわけです。
代表的なギター木材といえば、ローズウッド マホガ二ー メイプル などがあります。以下に簡単にそれぞれの特徴を挙げておきます。

この材は非常に多くのギター材として使用されています。
ローズウッドのギターから得られる音には「ハリ」があり、しっかりとした「輪郭」を感じ取ることができます。また、そのサウンドは柔らく、粘り強いことが知られています。
※相性のよいピックアップは…
この素材を生かすためには、しっかりとした音の輪郭をとる事ができるピエゾマイクなどを使用することをおすすめします。更にやわらかさをプラスしたい場合には、できるだけエアー感が強く出るマイクを追加(ブレンド)しても良いでしょう。


この材も非常に多くのギターに使用される、一般的な材といえます。
マホガニーのギターから得られる音は柔らかく、甘く、やさしいサウンドが特徴です。
※相性のよいピックアップは…
やわらかな音色を生かすためには、輪郭重視のピックアップよりも、コンタクト、コンデンサーのようなエアー感の表現に強いタイプを選択すると良いでしょう。また、もう少しくっきりとした音の輪郭を加えたい場合には、ピエゾマイクなどとブレンドしても良いですが、音のバランスを間違えると材の特徴を損なう恐れがあるので注意が必要です。


比較的硬い素材である為、JAZZギターなどに使用されることの多い木材です。メイプルのギターから得られる音にはメリハリがあり、スカッとした抜けのよいサウンドが特徴です。
※相性のよいピックアップは…
抜けの良いサウンド感を発揮させたい為、この材に合わせるピックアップはマグネットマイクなど、ボディー内の反響した音をバランス良く伝え、歯切れのよいサウンドを得られるタイプがオススメです。

以上、こちらに挙げた例は大まかなものではありますが、自分のギターの素材を理解した上で、相性の良いピックアップマイクを選ぶことがサウンド創りの第一歩となることがお分かりいただけると思います。
また、ピックアップを取り付ける際、ギターに加工を施すのか否か、ということもピックアップ選びのポイントになると思います。
参考までに、簡単な表を用意しましたので、これを基に、ご自分のイメージに最も近いピックアップを見つけていただければ幸いです。
| ギター本体への加工 | 演奏する 場所による 音の変化 |
音の安定 | 出力 | |
| ピエゾマイク | 要 | なし | 良い | 強い |
| コンタクトマイク | 選択自由 | あり | 中 | 弱い |
| マグネットマイク | 選択自由 | なし | 良い | 強い |
| 楽器用 コンデンサーマイク |
不要 | あり | 中 | 中 |
このように、ピックアップで得られる音を出来るだけ生音に忠実に、また、演奏環境や音創りのイメージに合わせた音創りを行うためには、演奏環境や木材との相性を頭に置きながら、「ブレンド」テクニックを駆使することが大変効果的であるといえます。
ここでは、現在主流となっている代表的な組み合わせ方のみ、紹介しましたが、記事の後半では、実際のサウンドとともに様々なブレンドテクニックを紹介しますので、是非サウンドメイキングの参考にしていただければ幸いです。
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