◆J-Guitar 秋桜セール開催中! 10/6 15時まで!
マヌエル・ベジード Manuel Bellido 1996年 655mm 松 シープレス
ネック:セドロ
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック
:横裏板 セラック
糸 巻:フステーロ
弦 高:1弦 2.0mm
:6弦 2.5mm
[製作家情報]
マヌエル・ベジード Manuel Lopez Bellido 1939年 グラナダ生まれ。13歳の時に同地の家具工房Claudio Carmona 工房に徒弟として入り(その時すでに工房ですぐれた職人として働いていた友人のアントニオ・マリン・モンテロが彼に木工技術を教えています)、急速にその腕前を上げていきます。ある日友人から依頼されたバンドゥーリアの修理を手がけたことで楽器の構造に興味を持ち、やがて自らの生業とすることを決意、アントニオよりも先にCarmonaの工房を辞し、グラナダのメンター的存在として今では名高いエドゥアルド・フェレールの工房に16歳の時に入ります。しかし最初はカスタネットを主に製作、生活のため家具職人に戻ることも考えるなど迷った時期もあったようですが、彼の木工技術の才能を見抜いたエドゥアルドがバンドゥーリアとギター製作をフルタイムで行う職人として再雇用し、ここで遂にマヌエルは本格的な楽器製作に従事することになります(このあとアントニオ・マリンもまたエドゥアルドの工房に入り、再び2人は同僚となります)。そして1960年、兵役を終えた21歳の時にマヌエルは独立を決意し、盟友アントニオとともに共同ブランドMontero y Bellido を起ち上げます。
最初は自分達のラベルではなく師フェレールの工房品として、またはマヌエル・デ・ラ・チーカのラベルで出荷するなどして生計を繋ぎ、何度か工房の移転を余儀なくされるなどの困難もありながら、次第に顧客を獲得してゆきます(R.S.デ・ラ・マーサ や パコ・デ・ルシアなどの名手たちからのアクセスも入るようになります)1970年代に入ると日本をはじめ国外からの注文でますます需要も高まり、工房にはマヌエルの弟ホセ・ロペス・ベジード(1943~)、アントニオの甥のパコ・サンチャゴ・マリン(1946~)、そしてラファエル・モレーノ(1954~)らが徒弟として加わり生産体制を強化してゆきます。しかし1973年にパコ・マリンが独立し、その翌年アントニオのもう一人の甥ホセ・マリン・プラスエロ(1960~)が工房に加わりますが、ここでマヌエルとアントニオの共同作業は終わりを迎え、それぞれ独立して製作を行うことになります(ホセ・マリンはこの後アントニオの工房で製作を始めることになります)。
[楽器情報]
マヌエル・ベジード製作 1996年 フラメンコ ブランカ Used です。ラベルにはペンで書かれた「1995」の末尾の数字「5」を「6」に書き直した跡がありますが、裏板のバーの一本には「GRANADA 1992」とやはりペンで書かれています。ラベルと本体に書き込まれた年代の相違の理由については正確なところは不明なのですが(おそらくは製作着手が1992年で完成が1996年ということかと思われます)、ギターは1990年初頭のこのブランドの特徴的な様式と構造を備えており、音色的にも円満にグラナダ的ニュアンスを濃厚に感じさせるものになっています。
構造的には実に多様な試みを現在に至るまで実践しているブランドですが、本器での表面板力木配置もとても興味深いものになっています。サウンドホール上側(ネック側)に2本、下側(ブリッジ側)にも2本のハーモニックバーを設置し、このうち一番ブリッジ側の1本は低音側から高音側にかけてやや斜めに下がってゆくように設置されており、しかもこの4本のバーのそれぞれが高さも形状も微妙に異なっています。サウンドホールを広い範囲で囲むように補強プレートが貼られ、その外側には横板に添うようにして高低音側それぞれに短い(ホール上下に配されたバーの間の長さだけ)1本ずつの力木が設置されています。扇状力木は9本が設置されており、このうちセンターを含む低音側5本のみその先端をボトム部で受け止めるようにクロージングバーを設置(通常では高音側と低音側それぞれに一本ずつ、V字型になるように配置される)、しかもその支点はエンドブロックの中心点すなわちセンター力木の先端部分ではなくエンドブロックのやや高音側寄りの位置に設定されています。そしてブリッジの位置には横幅いっぱいに薄い補強プレートが貼られているという全体の配置。レゾナンスはG#の少し上に設定されています。
サウンドホール上下に設置されたハーモニックバーの本数と配置関係、9本の扇状力木という設計は直ちにバルセロナの名工イグナシオ・フレタの力木配置を想起させる特徴的なものですが、同時にフラメンコギターにおいてこの構造を採用したのはおそらくスペインではこのブランドだけかと思われます。ただしマヌエルは明らかにフレタの構造を参照しながらも、完全にアダプトするわけではなく、上述の低音側だけのクロージングバーなど細部での創意を加えており、あくまでもオリジナルのフラメンコモデルとして着地させています。
実際にここで聴かれる音響はフレタ的音色とは全く異なる、円満にアンダルシア的なもので、音色や発音、音の身振りに至るまでフラメンコ的なキャラクターと機能性を十全に備えたものとなっています。しかしながらこの製作家の、豪快さやはじけるような明るさというよりはある種のスマートさ、あるいは音楽的な意味での暗さのようなものがほのかに内在し、それが全体の表情に独特の渋みを付与しているところは、彼ならでは特徴として挙げておくべきでしょう。
ボディ全体とネック裏に至るまでフラメンコギターとして十分に弾き込まれてきたことによる弾き傷、スクラッチ傷、打痕等が多くあります。割れ等の修理歴はありませんが、表面板のゴルペ板は一度貼り換えられた形跡があります。セラック塗装はおそらく製作時のままで再塗装などはされていないようです。ネック、フレット、糸巻きなど演奏性に関わる部分は問題ありません。ネック形状はこのブランドに特徴的な薄くフラットなDシェイプでとてもコンパクトなグリップ感。弦高値は現在値で1.8/2.8mm(1弦/6弦 12フレット)となっており、奏法によってはビリツキが発生する場合がありますが、現状のままとしております。サドル余剰は1.5~2.0mmとなっています。重量は1.42㎏。
商品名 | Manuel Bellido [マヌエル・ベジード] Flamenco Blanca |
---|---|
商品ID | 1427021 |
楽器カテゴリ | ギター/ベース/弦楽器 > クラシックギター/フラメンコギター > フラメンコギター |
ブランド | Manuel Bellido [マヌエル・ベジード] |
型番・モデル | Flamenco Blanca |
楽器区分 | 中古 |
年式 | 1996年 |
程度 | 3+[EX] : 年代相応で標準的な状態 |
トップ材 | スプルース(松) |
サイド&バック材 | シープレス |
カラー系統 | ナチュラル/木目系 |
生産国 | スペイン |
弦長 | 655mm |
ケース | ハードケース |
付属品 | クロス |
公開日 | 2025/09/12 |
更新日 | 2025/09/12 |
住所 | 〒110-0004 東京都台東区下谷3-3-5 アズール上野2F![]() |
---|---|
アクセス | 営団地下鉄日比谷線 入谷駅下車。 3番出口(上野方面行きの場合)又は4番出口(三ノ輪方面行きの場合)より徒歩5分。 JR山手線 鶯谷駅下車(南口)より徒歩10分。 近くにコインパーキングあり。 |
TEL / FAX | TEL:03-3876-7207 / FAX:03-3876-7206 |
営業時間 / 定休日 | 営業時間 11:00~19:00 / 定休日 毎週水曜日 |
ホームページ | http://www.guitarra.jp/ |
取扱商品タイプ | 新品, 中古, ビンテージ |
取扱商品カテゴリ | アコースティックギター/エレアコ, クラシックギター/フラメンコギター, ギター・ベース・弦楽器用アクセサリ/ケア用品, その他の楽器, CD/DVD/書籍/楽譜/教則本 |
対応サービス・設備 |
|
Jギター決済 |
店名 | ギターショップ アウラ |
---|---|
所在地 | 東京都台東区下谷3-3-5 アズール上野2F |
メールアドレス | info@guitarshop.jp |
営業時間 | 営業時間 11:00~19:00 |
販売事業者 | |
---|---|
代表者又は責任者 | |
所在地 | - 0 |
電話番号 | -- |
販売価格 | |
販売代金以外に必要な手数料等 | |
支払方法及び支払時期 | |
引渡時期 | |
申込み有効期限申込み有効期限 | |
保証 | |
返品・交換・キャンセル | |
販売数量制限その他の特別な条件 |
名称 | 株式会社アウラ |
---|---|
許可を受けている公安委員会 | 東京都公安委員会 |
許可番号 | 第306619505019号 |
委託販売、買取、下取りのお申し込みは随時受け付けております。
現役の手工製作家によるメンテナンスチェックを実施し、楽器の状態を確認させて頂き正確な査定を致します。
大切な楽器を、「安心」と共に次のユーザーへと引き継ぐことを心掛けています。
確かな技術で、楽器の故障状況を的確に把握し、また、隠れた故障、潜在的な故障を見逃すことなく、適切な修理方法をご提案致します。
深刻な故障でもあきらめる前にまずはご相談下さい。
割れ、はがれ、傷等の破損や故障の補修。音質改善のためのナットとサドルの調整。
弾き心地改良のためのネック反り補正や、弦高、弦幅等を奏者に合わせるフィッティング調整。
更に再塗装、塗り重ね、フレットや糸巻きの調整や交換等の経年劣化に対しての補修、修理まで専門家の知識と技で、あらゆる問題点に関してのご相談、見積もり、リペアまで責任を持って承ります。担当制で木曜・土曜・日曜に各製作家がギターショップアウラに常駐しております。
お困りのことが御座いましたらお気軽に電話でご相談ください。
また、各担当製作家は、スペイン伝統工法に忠実に則り楽器を製作している現役製作家。
使用材からネック幅、弦幅、弦長などディテールを細かく指定出来るオーダーメイドについても製作家と直接ご相談頂けます。
名工から譲り受けた貴重材を使用するプレミアムオーダーメイドも受け付けております。
月謝制で1年目のスタート割引もあり。
東京都内に、上野入谷・秋葉原・学芸大学・池袋の5教室を展開している「アウラ音楽院」。クラシックギター、フラメンコギターのみならず、ウクレレ、エレキギター、マンドリン、ポルトガルギターなど・・それぞれの講師達が得意とする分野の歴史と伝統の中で培われた技術を、自然と身に付けて行く事が出来ます。ギター初心者からプロ志望の方まで、課題や目的が違うひとりひとりとじっくり向き合い、講師と一緒に夢の実現に向けて上達を目指せる教室です。
コンサート活動やCD発売など活躍中の現役のプロミュージシャンや、指導経験豊富なプロ講師が多数講師として在籍。ギター専門店アウラとして、自信を持っておすすめできる講師陣で皆様をお迎えしています。
また、小さなお子様でも続けやすいキッズコース、お友達や家族とのペアレッスンなど多様なご要望に対応しており、「長く続けやすい」と皆様にご支持いただいております。