ローランド・シャルバトケ Roland Scharbatke 2004年 650mm 杉 中南米ローズウッド
ネック:マホガニー
指 板:エボニー
塗 装:表板 セラック
:横裏板 ラッカー
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 3.0mm
:6弦 4.0mm
[製作家情報]
ローランド・シャルバトケ Roland Scharbatke 1952年 ドイツ、テューリンゲン州ゴータに生まれる(カール・マルクスの有名な「ゴータ綱領批判」のゴータです)。1959年7歳の時に家族でノルトライン=ヴェストファーレン州のイーザーローンに移り、現在も彼はこの土地で製作を続けています。イーザーローンは1959年当時西ドイツ側に位置し、東ドイツのゴータから西側に移るのは(のちにベルリンの壁建設に象徴される厳しい分断が行われる前の国内情勢だったとは言え)、家族が揃って移住するには非常な困難があったようです。しかしながら幸福にも彼は家族と共にイーザーホーンに文字通り安住することができ、やがて家具職人の徒弟として働き始めます。この時ギターの演奏に熱中し同時に製作にも興味を持つようになっていた彼は1979年にまず家具職人としてのマイスター試験に合格した後、バイエルンの製作家 Gerold Karl Hannabach(1928~2015 ※彼の叔父のAnton Hannabachは弦メーカーのハナバッハを故郷チェコで創業した人物で、バイエルンに移住後にその息子Arthur が事業を引き継いでいます。Geroldは弦製造には関わらず、完全に独立して弦楽器職人としての道を歩みます)に弟子入り、すでに家具職人として一流の腕を持っていたシャルバトケは一気に楽器製作の技術を習得し、1989年には撥弦楽器製作の職人としてもマイスター試験に合格、同年に自身の工房を起ち上げブランドを開始します。
彼の楽器は何と言っても精緻な木工技術によるシンプルかつ審美的な造作とデザインが特筆されますが、あのワイスガーバーさえ凌ぐほどの多産と多ジャンルでの製作を展開した師Gerold の影響からか、音響に関しては広範な知見に基づいた独自の美学を感じさせるものになっています。スペイン=ドイツのクラシックギターの伝統をあくまでも基本として慎重に逸脱を回避しながら、ダブルトップなどのモダンギターとも一線を画す現代性を有するに至っています。
[楽器情報]
ローランド・シャルバトケ 2002年製 Used の入荷です。表面板力木配置はサウンドホール上側(ネック側)に長短2本、下側(ブリッジ側)に1本のハーモニックバー、サウンドホール両側(高音側と低音側)はそれぞれ2本ずつの短い力木がX状に交差してハーモニックバーによって区切られた範囲を覆うようにして設置されています。表面板下部は左右対称7本の扇状力木ですが、7本のうちセンターの3本はサウンドホールの直径の幅に収まるように寄り添ってほぼ平行に設置されており、少し離れて残りの4本が扇状を形成してゆくようにして全体を配置。またスタンダードな設計ならこれらの力木を受け止めるような形でボトム部に2本のバーをV字型に配置するのですが、ここでは1本のバーが横向きに設置されて力木の先端を受け止め、さらにエンドブロックにほぼ接する位置に短いもう一本のバーを設置しています。そして駒板位置には薄い補強プレートが貼られ、その両端に近い位置からそれぞれ2本ずつの短い力木が近接する横板に向かって伸びるようにして設置されているという全体の構造になっています。レゾナンスはFの少し上に設定されています。
一つの位相の中に低音から高音までが収まるようなドイツ的と言える音響設計ですが、低音のまさに「Bass」としてのキャラクターと高音の凛とした「Voice」との明確な対比があり、特に低い重心感覚とともにたっぷりと響く低音は魅力的。基音のはっきりした音像に響箱の容量を活かした奥行きが加わり、上品なリヴァーヴ感を生み出しています。またこれは「ドイツ的」ギターとしては異質とさえ言えるほどによく歌うロマンティックな表情があり、ここに非常に鋭敏な発音機能によるスマートな音の身振りが加わり、繊細かつダイナミックな表現力を持つに至っています。ただしあえて指摘すれば特に高音でいくつかの音は共鳴が強く出てしまうところがあります。
日本美術に影響を受けたという「ミニマルな」デザインは特にスクエアなヘッドシェイプににカナダの高級糸巻ブランドRodgersによるカスタムメイド品をすっきりとインレイさせるというこだわりに表れています。また赤と茶を基調としてそこに極めて繊細な黄緑の意匠をあしらったロゼッタは杉材の渋い飴色の中に素晴らしく調和し、駒板のタイブロックは象牙に白蝶貝をインレイしたものを装着して全体の上品なアクセントとなっています。
割れや改造等の大きな修理歴はありません。表面板は指板両脇からサウンドホール周りにかけてのスクラッチあとや弾きキズ、ボトム付近に数か所の打痕等ありますが年代相応のレベルと言えます。横裏板は演奏時に胸や腕の当たる部分に塗装の擦れは見られますが、その他は衣服等によるほんのわずかな摩擦あとのみ、ネック裏に関しても全体に爪キズはあるものの浅く軽微なものなのでそれほど目立ちません。演奏性に関わる部分についても良好で、ネックは適正な状態、フレットも1~5Fでわずかに摩耗見られますが問題ありません。指板高音側は20フレット仕様。ネック形状は薄めのDシェイプでフラットな形状、弦高値は3.0/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)に設定されています。ナットとサドルはともに象牙製で、サドルには各弦位置に深めに溝が切ってあり、弦をしっかりと固定しています(この弦の下端位置を基準にしてサドル余剰は1.0~2.0mmあります)。右手左手ともに音の反応もリニアニティも非常に優れておりその点でのストレスはほとんどありませんが、弦の張りは強めなのでお好みに応じて使用弦のテンション設定はご変更ください。重量は1.54㎏。
商品名 | Roland Scharbatke [ローランド・シャルバトケ] クラシックギター |
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商品ID | 1435564 |
楽器カテゴリ | ギター/ベース/弦楽器 > クラシックギター/フラメンコギター > クラシックギター |
ブランド | Roland Scharbatke [ローランド・シャルバトケ] |
型番・モデル | クラシックギター |
楽器区分 | 中古 |
年式 | 2004年 |
程度 | 3+[EX] : 年代相応で標準的な状態 |
トップ材 | シダー(杉) |
サイド&バック材 | 中南米ローズウッド |
カラー系統 | ナチュラル/木目系 |
生産国 | ドイツ |
弦長 | 650mm |
ケース | ハードケース |
付属品 | クロス |
公開日 | 2025/08/05 |
更新日 | 2025/08/05 |
住所 | 〒110-0004 東京都台東区下谷3-3-5 アズール上野2F![]() |
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アクセス | 営団地下鉄日比谷線 入谷駅下車。 3番出口(上野方面行きの場合)又は4番出口(三ノ輪方面行きの場合)より徒歩5分。 JR山手線 鶯谷駅下車(南口)より徒歩10分。 近くにコインパーキングあり。 |
TEL / FAX | TEL:03-3876-7207 / FAX:03-3876-7206 |
営業時間 / 定休日 | 営業時間 11:00~19:00 / 定休日 毎週水曜日 |
ホームページ | http://www.guitarra.jp/ |
取扱商品タイプ | 新品, 中古, ビンテージ |
取扱商品カテゴリ | アコースティックギター/エレアコ, クラシックギター/フラメンコギター, ギター・ベース・弦楽器用アクセサリ/ケア用品, その他の楽器, CD/DVD/書籍/楽譜/教則本 |
対応サービス・設備 |
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Jギター決済 |
店名 | ギターショップ アウラ |
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所在地 | 東京都台東区下谷3-3-5 アズール上野2F |
メールアドレス | info@guitarshop.jp |
営業時間 | 営業時間 11:00~19:00 |
販売事業者 | |
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代表者又は責任者 | |
所在地 | - 0 |
電話番号 | -- |
販売価格 | |
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引渡時期 | |
申込み有効期限申込み有効期限 | |
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返品・交換・キャンセル | |
販売数量制限その他の特別な条件 |
名称 | 株式会社アウラ |
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許可を受けている公安委員会 | 東京都公安委員会 |
許可番号 | 第306619505019号 |
委託販売、買取、下取りのお申し込みは随時受け付けております。
現役の手工製作家によるメンテナンスチェックを実施し、楽器の状態を確認させて頂き正確な査定を致します。
大切な楽器を、「安心」と共に次のユーザーへと引き継ぐことを心掛けています。
これまでの28年の経験の蓄積と確かな技術で、楽器の故障状況を的確に把握し、また、隠れた故障、潜在的な故障を見逃すことなく、適切な修理方法をご提案致します。
深刻な故障でもあきらめる前にまずはご相談下さい。
割れ、はがれ、傷等の破損や故障の補修。音質改善のためのナットとサドルの調整。
弾き心地改良のためのネック反り補正や、弦高、弦幅等を奏者に合わせるフィッティング調整。
更に再塗装、塗り重ね、フレットや糸巻きの調整や交換等の経年劣化に対しての補修、修理まで専門家の知識と技で、あらゆる問題点に関してのご相談、見積もり、リペアまで責任を持って承ります。担当制で木曜・土曜・日曜に各製作家がギターショップアウラに常駐しております。
お困りのことが御座いましたらお気軽に電話でご相談ください。
また、各担当製作家は、スペイン伝統工法に忠実に則り楽器を製作している現役製作家。
使用材からネック幅、弦幅、弦長などディテールを細かく指定出来るオーダーメイドについても製作家と直接ご相談頂けます。
名工から譲り受けた貴重材を使用するプレミアムオーダーメイドも受け付けております。
月謝制で1年目のスタート割引もあり。
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