商品説明
オール単板のマーチンヘリングボーンスタイルモデルです。ヘリングボーンモデルですがレギュラーブレイシングでやや硬めのしっかり感のあるトーン、メリハリの効いたサウンドです。やや塗装内の白濁が見えますが、ほぼ新品時の雰囲気の残る綺麗なコンディションの楽器です。
この楽器が制作されていたのは、林ギター製作所で、1970年代にはパール、フェルナンデス、バーニーと言ったブランドを手掛けていました。
RIDERギターは現在のデバイザー、ヘッドウェイギター等を設立した八塚氏によって1975年に設立されたクロス楽器のブランドで、制作は林ギター製作所でした。
八塚氏は当時林ギター製作所で製作を担当していた技術科の百瀬氏の真摯な姿勢、技術力の高さに感銘を受けて、1977年にヘッドハンティングしてヘッドウェイを設立、松本に工場を建設してヘッドウェイギターの制作を始めます。
そのため、RIDERギターは、1975年から77年までの2年少々ししか作られていません。精巧な作り込みと音の良さが評価されて全国の有名楽器店で取り扱われ人気となり、その後のヘッドウェイ設立の足掛かりになりました。
ちなみにヘッドウェイでギター制作に打ち込まれていた百瀬氏ですが、もともと家具職人でグレコギター等で有名な富士弦楽器に転職、ギター制作を始め、その後林ギター製作所にスカウトされています。ヘッドウェイでも一貫してギター制作の研究を重ね、数々の名器を制作し、晩年には後進の指導に尽くされて2015年には長野県から信州の名工として表彰されています。2024年には惜しまれながら他界されました。
アコースティックだけでなくエレキギターにも高い技術力と発想力を持ち、エレキブランドMOMOSEギターもアーチストに高く評価されています。
今回の楽器はR-1000で、当時としてはかなり高価な10万円定価だったモデルです。現在の貨幣価値では3倍くらいに相当する高級モデルでした。
内部ラベルには林さんのサインが入っています。
トップはスプルース、サイド、バックはローズウッドでオール単板です。
ペグは新しいグローバー102Gに交換されていて、ピカピカに綺麗で動作もスムーズです。
マーチンタイプのアンダーフィニッシュピックガード、ヘッドインレイは戦前マーチンタイプのトーチ、スノウフレイクポジションマークです。
ヘリングボーンバインディングですが、ブレイシングはレギュラーです。
ナット交換調整済み、フレットはオリジナルのままのようですが、ほぼ消耗はありません。
ヘッドの塗装がやや白濁していますが、全体にかなり綺麗な保管状態です。
ネックヒール部分にオーバースプレー・タッチアップによるクラック修理が施されいます。オーバースプレーはネック裏全体施してあります。
ナット部幅42.5ミリ程度のレギュラーグリップネックです。
アジャストロッドは付いていますが効きしろはあまりありません。現状は真っ直ぐに調整済みで、半世紀経過していますので、これから大きく動く心配は無いと思われます。
12フレット上で弦高は6弦:2.5mm、1弦:1.8mmと弾き易くバランスの良いピッチでハイポジションまでスムーズに演奏出来ます。
メリハリ感があり、しっかりと鳴ります。音抜けが良いパワフルなサウンドで、繊細なタッチでは粒立ちが綺麗で、強めのストロークではバリバリ立ち上がりの良い音で鳴ります。
たぶん経年変化で当時よりも鳴りが出ていて、しっかりと豊かなボリュームがあります。
当時のオリジナルタグ類が残っているのも嬉しいですね。
専用サイズハードケース付きです。