――中学2年生からギターにハマり。。
今回マイギターストーリーをご紹介いただくのは楽器店としては珍しい東横線「中目黒」駅から徒歩2分という立地の「隠れ家」的お店、「DEAR PRUDENCE(ディアプルーデンス)」店主の村上さん。
小学生の頃から音楽に興味を持ち、自分でもギターを弾いてみたいと思い始めた中学2年の時、父親に地元(名古屋)の楽器店で買ってもらった「Fresher Mustang copy model」が自身にとって初めてのギターであったそう。
――きっかけはビートルズ
『とにかく弾く事が楽しくてベンチャーズやビートルズの曲などを独学で毎日弾いていましたが、そのうちに幼馴染に誘われてバンドを結成することになったんです。そのバンドでリードギターを担当することになったのを機にギター練習にさらに火がつき、来る日も来る日も練習に明け暮れました。 家でもほぼ四六時中、ギターを弾きまくっていたので、親から「もういい加減にしろ!」とよく怒られ、学校の先生にギターを取り上げられた事もありました(笑)。
やがて高校生になると学校から帰ってすぐにレコーダーを並べてギター、ベース、ドラムなど、全パートを自分で弾いたものを録音して楽しむのが日課のようになりまして(笑)
ビートルズのジョージに影響を受けて、バイトで貯めたお金でGretsch Tennessean 70’s (Used)を買ったんです。これは今でも記憶に残るギターで、現在も続くバンド活動など、ギターに関する基礎的なものを築くための1本になりました。残念ながら今は手元にありませんが、ビンテージテネシアン自体はその後別のものを手に入れ、現在も所有しています。
その他にはSchecter 製TLタイプのオールローズモデルなども本当によく弾いた1本で、店を開店した当時に泣く泣く手放してしまいましたが、今でも探しているギターです。
それから、もう1本、記憶に残るギターはRickenbacker 360−12WB Liverpool model '82(New) 。 これは大学受験で東京に来た時に御茶ノ水の楽器店で衝動的に33万円のローンを組んで買ってしまったんです(笑)。でも親に知られるとまずいので、お店の人に相談して内緒にしてもらったはずが後でしっかりバレてしまって。。(笑) 「すぐに返してこい!」ぐらいの勢いでめちゃくちゃ怒られましたが、私にとっては当時この12弦のサウンドがどうしても必要で。。(笑) これもその後手放してしまいましたが、やはり現在もビンテージを所有しています。
――Birth Yearの1963年Fender Bass Ⅵ
この店を始めた20代半ばくらいまではビートルズのファンが集まるライブハウスで演奏をしていたりしたのですが、その後多くのジャンルの音楽を聴いたり人前でバンド演奏をするようになって、国内外のミュージシャンの方々と接する機会もあり、今は主に「Aural Fit」というサイケデリックロック、ノイズ系のインプロビゼーションバンドで活動しています。
現在の愛機は偶然にも私と同じ生まれ年の1963年製 Fender Bass Ⅵ 。ジャック・ブルースをはじめ、ビートルズのジョンやジョージも使ったことで知られるモデルで、ショートスケールのベースとしても、バリトンギターとしても使用できる個性的な1台です。これは当店で仕入れたものではなく今から15~6年ほど前に横浜のあるお店で偶然見つけて手に入れました。
今ではなかなか市場でも高騰してしまっているようですが、当時は54~55万円ほどであったと思います。
実はBass Ⅵ自体はこれの前にももう少し古いものを含め、10本近く使ってきましたが、この個体は一番弾きやすく自分にフィットしています。現在活動中のバンドではもちろんギターも弾くのですが、主にベースを弾くことが多く、ギターとベースを持ち換えるのが面倒というか(笑)
Danelectro W-neck(Bass/Guitar)を使っていた時期もあったのですが、この Bass Ⅵを手に入れてからはこれの出番が多くなりました。ベースとしてもギターとしても使えますし、サスティーンの利きやPUのパワーなど、音作りの面でもこの個性的なサウンドが気に入っています。
――中目黒で30年以上
柔和で親しみやすい人柄の村上氏。 店名の「ディアプルーデンス」からも想像できるように、「The Beatles」や、ビートルズギアに関する知識も豊富で、Bass Ⅵだけでも10本近く(!)とそのギター遍歴もなかなかのもの。店頭にはGibsonやFenderの他、RickenbackerやHofner、Gretsch、VOXといった「The Beatles」に所縁のレアギターやアンプ、エフェクターに混じり、店名に因んでかシタールなどもさりげなく並ぶこともあるマニアックなお店。
20代半ばに奥様と開いた輸入雑貨店が始まりで。1989年のスタート当初はヨーロッパやアメリカのアンティーク雑貨などを扱っており、ヴィンテージギターもそのラインナップのひとつであったのだとか。氏は国内、海外のヴィンテージギターショップのオーナーやディーラー、著名なビルダーの方々とのお付き合いも深く、現在も年に6回以上、自ら米国などに出向き、直接ヴィンテージギターの買い付けや卸なども行う。また、以前はHofnerベースの輸入販売を行っていた関係でバイオリンベースにも精通しておられ、現在も自身の見立てで買い付けた、国内ではあまり目にしないようなモデルが店頭に並ぶこともある。
とても居心地のよい隠れ家的空間でヴィンテージギターに触れながら、ゆっくりと流れる時間に浸ってみたい方は是非一度、ブルーのドアをノックしてみてはいかがだろうか。
(掲載日:2022年11月4日)
ディア・プルーデンス

〒153-0051 東京都目黒区上目黒1-6-1
TEL:03-3780-5329
営業時間:水, 木, 金 15:30-20:00
土日祝 15:00-19:00
定休日:毎週月曜、火曜日定休 (臨時休業あり)