――ギターとの出会いは中学生
『LOUDNESSの高崎晃さんが好きで"ランダムスター"があると聞きつけて中古ショップに行ったのですが、店のおばちゃんに「これからはこっちが流行るからコレにしとき」って言われ買ったのは白黒ツートンカラーのフライングVマイケルシェンカーモデル。しかし弾いてみると座って弾けないしアームもない。。』(笑)
そんな高校生のころのエピソードを語るのは広島の「ギターショップフェイズイン」オーナー、滝口氏。
初めてギターを手にしたのは中学生のころ。友人から譲ってもらった「HOLLY」の黒いストラトタイプ。
雑誌でコードを覚え、レコードに合わせて弾いたりしながら自己流でギターを覚えていったという。
その後、ストラトやムスタングを中心に数々のギターを手に入れたが、アーム搭載モデルが好きで、これはジミ・ヘンドリクスやウルリッヒロート、リッチーブラックモア、イングヴェイマルムスティーン、国内ではChar氏や島紀史氏など、ストラトヒーローの影響が強いのだとか。
アコースティックギターは山崎まさよし氏に影響を受けてギブソンJ-45を所有。
「お気に入りのギタリストと同じギターが欲しい」のはギター好きの皆さんと同じで、シンプルな購入動機である(笑)
――高校時代の「ビルローレンス」
『思いの詰まった"心の一本"というと、高校生の頃に地元楽器店で購入して以来、今も手元に残る「Bill Lawrence (ビルローレンス)」です。
昔に買って唯一手元に残っているギターですが、改造しまくって現在は最初の面影はありません(笑)
当時8万円ぐらいだったと思いますが、元々L-500P.U.搭載/2ハムモデルでX-Rayの湯浅晋さんが広告で持っていたのと同じ色でした。
高校卒業後DEAD ENDの足立祐二さんに憧れ、彼の65年ストラトもCARだったので同じ仕様にすべくノーマルストラトに改造変更しました。
ネックと2点支持トレモロをフェンダージャパンに交換、当時でも少なかったミントカラーのピックガード、P.U.は当時は"ディマジオ Class of 55"で、粒の揃った枯れたストラトサウンドが気に入ってましたね。
色は実際にはCARとも微妙に違う色合いで、ここも人と違っていて好きなポイントです。
でも、バイト先の倉庫で「ギター回し」の練習をしていたら飛んで行っちゃいまして(!)
ボディサイドがヘコみ、ネックポケット付近からボディ、ピックガードにヒビが入ってしまいました。
ですが、こんなになってもちゃんと弾けるし良い音もしてくれるし、ボディー割れも逆にカッコイイと思って今も修理せずに使ってますけど、もしかしたらいつかアームを使った瞬間に完全に二つに割れてしまうかも知れませんね(笑)
近年は当店オリジナルの"ダークホースP.U."を搭載し、スチールブロック、コンデンサ、ジョイントプレート、RAW Vintage スプリング等々、、、同じギターと思えない姿になってしまいました。
出力は高くないですが広いレンジと繊細なタッチを表現しやすいストラトサウンドで使う程に自分の音になって行く感じが気に入っています。
J-Guitarに掲載したアンプの試奏動画などにも使用しているのですが、店頭での試奏用でもあるので、ご来店頂いた方なら見た事あるかと思います。
高校時代からずっと持っていて愛着のある、思い出が沢山詰まったギターで、これを引き継げるのは私の子供だけかなと思っています。』
――J-Guitarを通しての嬉しい出会い
滝口氏は2003年、33歳の時に大阪から広島に戻るタイミングで「ギターショップ フェイズ イン」を立ち上げる。
以前に勤務していた楽器店の先輩の影響もあり、Char氏の大ファン。
ギターもストラトやムスタングが好きで、お店のオリジナルP.U.はムスタングをリスペクトしつつも対抗馬という意味で"ダークホース"と名付けた。
『大阪に住んでいた当時、欲しかった色と仕様のムスタングをネットで買ったんです。
フェイズインをオープンして初めてJ-Guitarにこれを出品したら、「そのムスタング、前にオレが持ってたヤツなんですよ」って、あるミュージシャンから電話がありまして、、、
(そのギターをその人が持ってたって言うのは偶然知っていて)「え、じゃあ。。もしかしてオカヒロ(岡田"Okahiro"弘)君ですか?」と聞き返すと「あ、じゃあ、そのギター買ってくれた人なんだ」って言われて。。(笑)
その時オカヒロ君が購入したのは他のギターだったかと思いますが、彼はフェイズインでのギター購入者の第一号になりました。
これもJ-Guitarがつないでくれたご縁なんですよね。
それからはオカヒロ君とはずっとお付き合いもあり、これまた偶然ですが彼も広島出身でした。フェイズインのオリジナルブースターも彼用にカスタマイズして使ってくれています。』
「これからもJ-Guitarを通して沢山のギターファン、そしてギターとの新たな出会いを楽しみに、末永く"広島の隠れ家的ギターショップ"として、営業を続けて行きたい」と滝口氏は明るく語ってくれた。
(掲載日:2022年12月27日)