商品説明
美しい響きのカスタムショップOMカッタウェイモデルです。
ギターショップを経営し、ギタープレイヤーであり、ビンテージギターコレクター研究家としても有名なエリックショーンバーグ氏の監修により、マーチンカスタムショップ内でダナボジョアー氏の手工製作で実現した、究極のOMスタイルギターです。
ショーンバーグ氏は1960年代から活躍するフィンガーピッキングギタープレイヤーで、現代のインストゥルメンタルソロギターの草分けとも言えるアーチストでいて、ビンテージギターコレクターとしても有名でした。
彼は多くのギターを手にして、1929年から33年にマーチンで制作されたOMモデルが、最高のサウンドで、特に自身が所有する1930年OM-45DXが究極モデルだと確信しました。
1969年からマーチン社にOMモデルの制作を働きかけ、自身でショップをオープンしマーチンディーラー経由で6本のOM-28をオーダー、その後マーチン社でOM-45モデルが制作されました。
しかし、より1930年代のオリジナルに近いギターを研究し、ギタールシアーだったダナ・ボジョアー氏と試作を重ねて1980年にマーチン社にサンプルを持ち込み、クリス・マーチンの支援を受けてマーチンカスタムショップで制作することになりました。
1986年からダナ・ボジョアーの手で厳選された材を加工し、そのパーツをキットとしてマーチンカスタムショップに持ち込み、マーチンカスタムショップのルシアーの手で、精巧に仕上げられました。当時制作を手掛けていたのはT.J.TOMPSON氏で、後期の楽器には彼の名前もスタンプされています。
マーチン社では戦前のDITSON以降、自社ブランドのプライドからOEM生産はしてきませんでしたが、ショーンバーグのみが認められました。
また、カスタムショップ内で個人のルシアーの名前をスタンプすることもTJトンプソンだけです。
ブランドはショーンバーグですが、マーチンの刻印、ゴールドプレイト、シリアル番号、製作者が内部に表記され1994年までこのプロジェクトは続きました。
その後のショーンバーグギターは他の工房に移行してしまいましたが、このマーチンカスタムショッププロジェクトによるギターが現在まで特別な評価を受けています。
正確な制作数量は不明ですが、少数のOM-28とOM-28カッタウェイモデル、OM-45DXが制作されて、日本にもわずかな数ですが紹介されました。
今回の楽器は、SOLOISTと命名されたOM-28カッタウェイモデルのハカランダサイドバックモデルです。内部にマーチンのゴールドプレイト、ショーンバーグとボジョアーの自筆サインの入ったラベルがあります。
ボジョアー氏が厳選したベアクロウが入ったアディロンダックスプルース(だと思われます)トップ、ワイルドな杢目のブラジリアンローズウッドサイドバック、エボニー指板、エボニーピラミッドブリッジです。
ペグはクルーソンタイプゴールドで、メッキは褪せてきていますが動作はスムーズです。
ピックガードはオリジナルです。
ナット、フレットともにオリジナルのまま再調整しています。
トップには演奏で出来たピックキズ、当てキズがそれなりにありますが、木部に割れや修復履歴はありません。
渋く色焼けしていて雰囲気のある綺麗なルックスです。
サイドバックにも使用に伴うスリキズがあり、サイドのカッタウェイ部にハカランダクラックがありますが、接着にてしっかりと修理が施されています。
エンドピン部分はジャックサイズでコンバージョンピンがセットされています。
ナット部幅44ミリ程度のOMタイプネックで、12フレット上で6弦2.2ミリ、1弦1.5ミリで、弾きやすいセットアップで調整されています。
OMモデルらしい粒立ち感のクリーンな美しいトーン、それでいて枯れた豊かな鳴りです。
絶対的な音量はドレッドノートほどではありませんが、ハカランダサイドバックらしいレスポンス、アディロンダックトップの艶やかさがあり、音の質感の良さは圧倒的です。
軽く爪弾いたり、ハイポジションで単音で演奏したりしても、メリハリがありながら深い響きに気持ちが入ります。
コードでストロークしてもバランス感が素晴らしく、それなりに弾かれていて、36年の経年変化が作り出す素晴らしいサウンドの楽器です。
当時の専用ハードケース、タグペーパーが付いています。