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Product Description

エレキギター業界において古い歴史と高い人気を誇るトップブランドFender社。その前身は創始者Leo FenderとDoc Kauffmanによってラップスティールギターやアンプブランドとして1945年にK&F社を立ち上げました。翌1946年にはFender Electric Instrument Companyと社名を変え、1950年に現在のテレキャスターの原型であるBroad Casterを発表しその名を世界に知らしめました。

Fender社の数あるアンプモデルのラインナップの中でも、初のトレモロ搭載アンプとして1955年に発表されたTremolux Amp。元々は既存のDeluxe Ampにトレモロサーキットを加えた1×12”スピーカー搭載、15W出力、5コントロールのコンボアンプでしたが、当時のミュージックシーンに対応するよう、より高い出力でパワフルなアンプ、より操作性の高いアンプ等のニーズにより、1961年にはヘッド＆キャビネットのピギーバック（おんぶ）スタイル、30W出力、8コントロールに、翌年1962年からはキャビネットのスピーカーが2×10”スピーカー仕様となる最終スタイルへ移行します。またそれに合わせて回路等も年々マイナーチェンジされていきました。また初期のモデル6G9についてはEL84管を搭載していた事で、プレート上の電圧が上がり過ぎてしまうという欠陥がありましたが、1961年以降は、6L6管を搭載した6G9-A/B回路に代わり改善され、多くのアーティスト達に愛用されてきました。

今回ご紹介させて頂くのは、Fender Ampの中でも特に人気が高いPre-CBS期、ホワイトトーレックス＆ブラウンフェイス期の1962年製 Tremolux Amp 6G9-B Piggyback。パワー管に稀少なEL37を搭載し、Pre-CBS期ならではのいなたい、音のキレ＆抜けが堪らない極上ヴィンテージサウンドを放つ一台となります。

まずそのスペックですが、サイズとしてはBand Masterモデルよりも一回り小さいスタイルにて、ブライアンセッツアー愛用のBassmanでも知られるホワイトトーレックス＆ブラウンフェイス、NORMALとBRIGHTの2チャンネル、それぞれにVOLUME、TREBLE、BASSコントロール、残りの2つはSPEEDとINTENSITY、他のモデルと異なりプレゼンスコントロールが無いのは、コントロール無しでも充分に煌びやかなトーンを持っているとされております。チューブチャート＆搭載チューブとしては、整流菅にGZ34（RUBY 5AR4）、パワー管に6L6GC（National Electric EL37）×2、プリ管に12AX7(TESLA ECC83、Philips 12AX7WA)と7025（RCA ELECTRON 7025、GROOVE TUBES ECC83）と、それぞれに拘りのチューブが搭載されております。またトレモロ回路は後のAB763とは異なり、トレモロの効きが良く、トーン回路への負荷が極力かからない真空管駆動のバイアス変調タイプとなっております。スピーカーはJENSEN製C10Q×2にて2001年製の物に交換されております。ヘッド内のラベルにはLLと1962年12月の出荷デイトがございますが、それ以外にSA 1-63スタンプ（ヘッド）、TA5262（シャーシ内部）、AD-0163スタンプ（キャビ）があります事から、1962年12月に完成し、出荷自体は1963年1月であったのかと推察されます。その為製作年表記を1962-63とさせて頂いておりますが、正確には1962年製が正しくなります。

そして気になるサウンドですが、ジューシーなクランチと触感のある演奏感が魅力の、他のモデルとは異なる唯一無二のサウンドを持ちます。クローズドバックに10インチスピーカー2発からくるタイトながらも強い音圧を感じられる中低域、ヴィンテージFenderらしい枯れたニュアンスを含む煌びやかな高域のバランスが良く、ボリュームは上げるというイメージよりもフルテンから絞るイメージにて、極上のクランチ＆オーバードライブサウンドも堪りません。また当時の他の大型フェンダー アンプに見られる複雑なハーモニック・ビブラート（セミ・ビブラート）回路とは異なる、シンプルかつピュアなビブラートサウンドはジャズやブルースロックや、ロックンロールやカントリーなど幅広いジャンルで活躍し、この得も言われぬトーンは本モデルならではと言えるでしょう。初期のコンボタイプや後期のAB763と比べても、この年代は完全に別格だと感じさせてくれます。

最後に状態としては、トーレックスや金属パーツに経年による汚れや焼けが見受けられるものの、ありがちなトーレックス剥がれも無く、サランネットの状態も極僅かなほつれレベルと非常に良好な状態です。パーツ類に関しては、電装関係はほぼオリジナル、出力トランスのみ交換されているように見受けられますが、デイト類がありません為、詳細が分かりかねてしまいます。またキャビ側のスピーカー交換、ハンドル交換、ヘッドと固定する際の金具の欠損がございます。演奏面に関しては、各コントロールに動作した際のガリが発生しております。その他真空管も全て元気な状態にて、即現場で活躍してくれるコンディションとなっております。

他のアンプと比較しても製作数の少なかったTremolux Ampですが、Piggyback仕様は1961～1968年まで、更にホワイトトーレックス期となると1961～1963年中期までとなります事もあり、国内外ともに非常に流通が少なくなっております。現在の相場観としては50～70万円前後、パーツ交換歴や状態を加味した上での適正価格としては60万円前後になるかと予想されますが、今回こちら前所有者様からのご厚意もあり、拘りのチューブセレクトも含め、ズバ抜けてサウンドの良い一台だからこそ、是非プレイヤーの方に手にして頂きたいという主旨の元、相場を大きく下回る非常にお値打ちな特別価格にてご案内させて頂く事となりました。Vintage Fenderアンプの中でも特にサウンドの良い一台となっておりますので、お気になりました方は是非この機会をお見逃しなく。

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