商品説明
稲葉征司氏のプロフィールについては、愛好家の方ならすでにご存知と思う。
中出一門を代表するベテラン製作家で、1964年の独立以来、長らく製作を続けられた、日本を代表する名工のお一人である。
本器は67年製作であるが、おそらくはスペインでの修行を終えられた直後の製作と思われる。
スペインでは、フレタ、アグアド、コントレラス等の名工の指導を受けられたそうだが、本器は帰国直後の製作でもあるのか、スペインギターの影響が大きく、同氏の他作品や当時の邦人製作家には珍しい、やや大型のギターである。
弦長664㎜、ナット幅53.5㎜、等のサイズはやはり珍しい。
型番Dは、当時の現代ギター増刊号「ギターのすべて」で確認できるが、ローズモデルの最上位機種で、型番Eはハカランダモデルになっている。
また本器は、前オーナー様が、クラシック&フラメンコ両用ギターとして使われていたので、木製(おそらくウォルナットと思われる)ゴルペ板が貼られている。
入荷当初は、木製ゴルペ板ということで、フラメンコ奏法による弾き傷が目立つものであったが、当店にてゴルペ板の研磨&再塗装により、木目の際立つ綺麗な状態になっている。
前述のように本器は、やや大型のギターになるが、両用ギターとして使われてきたことから、12フレット上の弦高も、6弦側3.0㎜、1弦側2.5㎜とフラメンコギターに準ずるように低く調整されている。
手の小さい方には、特にローポジションの押さえが、やや苦しい感はあるが、手の大きさが標準的な方以上であれば、先の低い弦高と弦のテンションが柔らかいギターでもあるので、かえって弾き易いギターと思う。
音の印象を言葉で表現するのは難しいが、少し甘い感じの音色だが、甘さに流れず、音の中に凛とした気品が漂う。
邦人製作家には珍しい個性的な美音である。
詳細情報
商品名 |
稲葉征司 SEIZI INABA №D 67年製 |
商品ID |
825861 |
商品コード |
cks182 |
楽器カテゴリ |
ギター/ベース/弦楽器
> クラシックギター/フラメンコギター
> クラシックギター
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ブランド |
稲葉征司 |
型番・モデル |
SEIZI INABA №D 67年製 |
楽器区分 |
中古 |
年式 |
1967年 |
程度 |
3+[EX] : 年代相応で標準的な状態 |
オプション |
ビルダー/ルシアー/ハンドメイド
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トップ材 |
スプルース(松)
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サイド&バック材 |
ローズウッド
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カラー系統 |
ナチュラル/木目系
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生産国 |
日本
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弦長 |
664㎜
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ケース |
ハードケース
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公開日 |
2021/06/07 |
更新日 |
2025/07/18 |