商品説明
2008年に、惜しくも他界された岐阜県巣南の製作家。 土井金松と書いて、(つちいかねまつ)とお呼びする。 楽器商の大半が集中する関東近辺や関西中心部でも、その作品を目にする事はなく、そのお名前もほとんど知られていない。 もともとは茶位工房で修業された方で、体調を崩されて郷里の岐阜に戻られ、かの地で製作活動を続けられた。 当店は関西エリアだが、距離的には京都・大阪より岐阜・愛知の方が近く、中京方面からのお客様も来店される機会は多いことから、時として地元の貴重な情報を頂ける事もある。 この土井氏のプロフィールも、そのようなお客様より情報を頂いた。 また当店においても過去に2台だけ土井ギターを扱っており、その出来栄えの素晴らしさから、大変に関心の高い製作家のお一人であった。 この土井氏に関しては複数の方よりお話をお聞きしたのだが、皆さまが異口同音に言われるのが、「運がなかった」、「病さえなかったら」、とのお言葉である。 時間のかかる透析治療と警備の仕事、そして製作活動と、まさに寸暇を惜しんで、かつ身を削る様にギターを作り続けた魂の製作家でもある。 今回のギターは、推定で90年代初めの製作と思われるが、後付けのピックアップが装着されているエレガット仕様になっている。 ピックアップの仕様としては、BASS(バス低音調節)とTREBLE(トレブル高音調節)の2バンドとボリューム・コントロールが付いただけのシンプルな機能だが、本器のような箱鳴りのする良いギターの場合は、極力ハウリングを押さえるという意味で、かえって正しい選択と思う。 売り物である商品の使い方にまで言及するのは甚だ僭越ではあるが、本器をエレガットとして使用する場合は、大音量が必要になるドラムやエレキがあるバンドで使用するにはいささか不向きと思う。 やはり弾き語りやギターソロで、周囲の環境によっては生ギターでは音量不足を感じる時の補填的な意味合いで使用されるのがベストであろう。 そういう意味では、アンプの選択も30W以下の小型アンプが最適と思われる。 またアンプなしの生クラシックギターとしても非常に良い音のするギターで、自分としては、ほとんどの場面では生ギターとして使い、周囲の音響的な環境によってアンプは副次的に使用するのがおススメである。 状態としては、やや傷が多めで、ブリッジ6弦下あたりからボディエンドにかけてクラックの補修跡があり、決して美品とは言えないが、当店の推奨品であり、なにより自分が個人的にも好きなギターである。 尚、クラック補修は内部から「パッチ止め」があり、しっかりと補修されているのと補修跡も指摘されないとすぐには判別できない丁寧な仕上げである。