Product Description
愛知県弥富市の製作者。 師は野上三郎氏であり、系統的には河野賢氏の孫弟子にあたる隠れた逸材であった。 甚だ残念な事ではあるが、2012年まだ50代なかばの若さで病没された。 同氏の作るギターは師匠ゆずりの本格派である。 しかしそのお名前が、一般のクラシックギター愛好家の間で、あまり知られていなかったのは、ギター合奏で有名な「某音楽院」の、言わば御用達のような形で製作を続けられ、一般の市場にはあまり出回らなかった事が要因であろう。 そういえば師である野上氏も、その音楽院との関係が深く、野上氏の唯一の弟氏であった飯田氏も、その関係性を受け継がれたものと思われる。 本器の製作年から飯田氏が30代半ばの製作であり、独立後間もなくと思われるが、非常に完成度が高く、かつ丁寧に作り込まれた逸品である。 上質な杉材をトップに使用しているが、シダートップとは思えない引き締まった、そしてその伸びやかで甘美な音色は、どこか製作本数が少なかったシダートップの河野ギターを思わせる様な所がある。 河野賢氏と独立された後の野上三郎氏の間はどのようなものであったのか、過去何度か耳にした事がある。 むろん風聞・風説の類いであるので真偽は明らかではない。 ただ思う事は、河野ギターの遺伝子は確実に野上ギターに引き継がれており、唯一の弟氏であった飯田健男ギターにも引き継がれているのだということ。 河野ギターの遺伝子はまったく意外な所にも残されていたということで、これから円熟期を迎えるという年齢で早世されたのは実に残念という一言に尽きる。 最後に本器の仕様については、トップ/シダー、サイド&バック/ローズウッド、指板/エボニー、等のオール単板仕様で糸巻きはシャーラー・ニッケルタイプを装備している。 状態としては僅かに弾き傷などが散見され、塗装が極薄のカシューの為に表面板素材が元々持っている少しのムラのようなものが、そのまま反映されているが(決して塗装ムラではなく)、全体的には綺麗な外観を保っている。 また内部の力木には何ら異常がなく、指板・フレット・ネックなども良好なものである。 また弦高についてはオリジナルと思われるが、12F上で6弦=3.8㎜、1弦=2.7㎜、と弾き易く設定されている。 サドル残も4.5㎜~3.0㎜あり、更なる調整も可能であるが当店としては現状のままで使用されることをおススメする。 弾き易い弦高と、やや小振りなボディで大変弾き易いギターであるので、女性の方や手の小さい方にもおススメである。 別途お問合せいただければ、詳細な画像を含め、更に詳しく御説明できると思う。