商品説明
ラベルには手工品・山口武司とあるが、製作者のプロフィールは一切不明である。
トップは単板もサイド&バックが合板仕様なので、いわゆる純手工品ではない。
ただ60年代~70年代初頭にかけては、黒澤常三郎・澄雄、茶位幸信、加納木鳴・木魂、広瀬博彦・達彦、等々の各氏の名義で同じ仕様で製作されたクラシックギターが多くあり、この山口武司ギターも含め、このようなランクのギターは、工房品あるいは半手工品と位置付けるのが妥当と思う。
さて本器だが、やはり一般的な量産ギターとは一線を画す作りになっており、工作精度や塗装など一見しただけでは純手工品と見紛うばかりである。
トップは、年輪にハッキリとした濃淡が出る特徴からエゾ松の単板で製作されているが、非常に見事な材である。
指板はローズウッドだが黒味の強い上質なもので、これも一見するだけではエボニー指板のように見えるので、先のエゾ松との組合せで一般の量産品にはない高級感が漂う。
音については、エゾ松の音響伝播が早い特性から音の立上りが早く、そして遠達性のあるクリアな音色である。
非常に反応の良いギターである。
また過剰な倍音がでる楽器ではなく、一音一音の音の輪郭が明瞭であるので、ジャズやボサノバなどポピュラー系統の音楽で多用するテンションノートを含む複雑なコードでもバランス良く響くのでとても心地良い。
クラシックはもちろん、ボサノバなどにも興味のある方にもお勧めできる。
本器の状態としては、ブリッジ下部とサウンドホールの6弦側に、浅いが少し長めの打痕があるが、全体的に見れば割れ補修や塗装のくすみ、白濁、ウェザーチェック等はなく、まずは良い状態にある。
※付属のハードケースは大変に古く機能的には問題はないが、やはり通販の際の輸送用としてお考えください。