絶頂期の茶位ギター、抜群の鳴りと驚くべき弾き易さを兼ね備える個体
ラベルには、Chai Yukinobu №15とあり、製作年度の記載はないが、サントス・エルナンデスのヘッドを模したヘッドデザインと独特なデザインのロゼッタの模様から、70年代中頃の製作と断定している。
ちなみに茶位幸信ギターといえば、フレタ型のヘッドデザインのギターが多いが、一部例外はあるものの80年代~90年代にかけての茶位工房の言わば量産体制に入った時期のギターに多く見られるものと思う。
本器はシダー・トップだが、スプルースを思わせるような音の輪郭が明瞭でひきしまった音色の中に、どこか上品な甘さが入り混じる。
まさに名品の音と思う。
私見ながら、茶位幸信ギターは70年代の作品が、その作りと音が最高と思う。
それともう一つ、本器には他の茶位幸信ギターには見られない大きな特長がある。
画像にあるサドル残(骨棒の出しろ)を見て頂ければお分かりと思うが、通常の手工ギター並のサドル残、いやそれ以上にサドル残がある。
サドルがこの状態で、12フレット上の弦高は、6弦側3.0㎜
1弦側2.0㎜の数値だが、これはフラメンコギター並みか、あるいはそれ以下の数値で、クラシックギターとしては軽く限界値を超えている。
とにかく途轍もなく弾き易い。
特にセーハの多い難曲でさえ無敵状態で、グラナダ(アルベニス)、カヴァティーナ(マイヤーズ)、大聖堂アレグロ(バリオス)、山下和仁のアンコール曲で隠れた名曲である
カンタービレ(アグアド)等々でまだまだ続く。
私事で恐縮だが、70代を目前にした身でありながら「えっ俺うまくなった?」と錯覚させるほどである。
これほど低い弦高であれば、低音弦でビビルのではと思われるのは当然だが、確かに6弦1フレット(ファ)、2フレット(ファ#)あたりではアポヤンドで強く抉るように弾くとわずかにビビルが、自分が何曲も長時間かけて試奏チェックした範囲では特段に気になるものではなかった。
もちろん弦高を上げればすぐに解決するのだが、この悪魔的とでもいえる弾き易さの為に敢えて調整しようとは思わない
何故ならこの弦高こそが、本器のオリジナル弦高と思われるからである。
普通クラシックギターで、この弦高を実現させるにはサドル調整だけでは無理がでてくる。
たとえサドル調整だけで実現したとしても、サドル残はギリギリで殆ど残らないと思う。
最近はクラシックギターの弦留めチップの普及で、「サドルにおける弦の傾斜角度」の重要性を認識しておられる愛好家の方が多くなったように思う。
サドルを限度を超えて削ると、この「弦の傾斜角度」がどんどん甘く(言い換えれば直線180度に近づく)なり、それが音質の変化、あえて言うなら劣化につながる事が周知されつつある。
本器については、サドルを横から撮影した画像を添付したが
12フレット上の1弦2.0㎜の弦高でさえ十分な「弦の傾斜角度」を保っていることがお分かりいただけると思う。
この角度を保っているからこそ、音色・音量の変質なく、途轍もなく弾き易いギターに仕上がっている。
本器の状態としては、添付画像の通り1弦側の側板上部に塗装の白濁が見られるが、その他の外観上は比較的にキレイな状態で、中古ギターとしては美品の範疇に入ると思う。
フレット&指板にもあまり使用感はなく、割れ補修やオリジナルの音色を全く違ったものに変質させる美感第一主義で塗り直しされた塗装ではなく、製作当初の艶・光沢を維持したままの完全オリジナル塗装である。
本器は、初心の方からベテラン愛好家の方まで、また指を故障された方や女性の方まで、幅広い愛好家の方々にお勧めできる名品である。
商品名 | Chai Yukinobu [茶位幸信] №15 |
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商品ID | 1119290 |
商品コード | cks202 |
楽器カテゴリ | ギター/ベース/弦楽器 > クラシックギター/フラメンコギター > クラシックギター |
ブランド | Chai Yukinobu [茶位幸信](チャイユキノブ) |
型番・モデル | №15 |
楽器区分 | 中古 |
年式 | 1975年頃 |
程度 | 3+[EX] : 年代相応で標準的な状態 |
オプション | ビルダー/ルシアー/ハンドメイド |
トップ材 | シダー(杉) |
サイド&バック材 | ローズウッド |
カラー系統 | ナチュラル/木目系 |
生産国 | 日本 |
弦長 | 650mm |
ケース | ハードケース |
公開日 | 2023/03/21 |
更新日 | 2025/07/18 |
店名 | GS-7380 |
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所在地 | 滋賀県彦根市中央町3-12 CG ビル3階 |
メールアドレス | info@guitar-gs.com |
営業時間 | 12:00~20:00 |
販売事業者 | |
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代表者又は責任者 | |
所在地 | - 0 |
電話番号 | -- |
販売価格 | |
販売代金以外に必要な手数料等 | |
支払方法及び支払時期 | |
引渡時期 | |
申込み有効期限申込み有効期限 | |
保証 | |
返品・交換・キャンセル | |
販売数量制限その他の特別な条件 |
名称 | 東堤康二 |
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許可を受けている公安委員会 | 滋賀県公安委員会 |
許可番号 | 許可第60103H210018号 |
Chai Yukinobu [茶位幸信](チャイユキノブ):古くはヴァイオリン等も製作した茶位工房で作られるクラシックギター、アコースティックギター、ウクレレ等のブランド。所有する豊富な材を贅沢に使用し、余分な装飾を省き、オーソドックスでいかにも日本の職人的な作り込みにより、バランス良く豊かに鳴る事で人気を博す。幸信氏は2011年に他界し、現在は息子である茶位幸弘氏が引き継ぐ。(Chai Yukinobu [茶位幸信]/チャイユキノブのキーワード検索結果はこちら)
Chai Yukinobu [茶位幸信](チャイユキノブ):古くはヴァイオリン等も製作した茶位工房で作られるクラシックギター、アコースティックギター、ウクレレ等のブランド。所有する豊富な材を贅沢に使用し、余分な装飾を省き、オーソドックスでいかにも日本の職人的な作り込みにより、バランス良く豊かに鳴る事で人気を博す。幸信氏は2011年に他界し、現在は息子である茶位幸弘氏が引き継ぐ。(Chai Yukinobu [茶位幸信]/チャイユキノブのキーワード検索結果はこちら)